トーストマスターズ日本地区統括(ディストリクト76)

Toastmasters International District 76 Japan Communication and Leadership Program since 1924

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クラブからの活動投稿

ジャパントーストマスターズクラブでの「ディベート体験」

礼に始まり礼に終わるコミュニケーション版「筋肉トレーニング」
2011-2012 ディストリクト76広報宣伝担当
東 公成
お知らせ:ジャパントーストマスターズクラブについて

ジャパン・トーストマスターズクラブ(The Japan Toastmasters Club、略称JTMC)は、2011年1月スタートしました。 スピーチのテーマを「日本」に限定した全国初の話題特化型クラブで、スピーチや即興スピーチはもちろん、ディベートも例会のプログラムの一環として行う創造的な試みを行っておりましたが、会員数がチャーター要件を満たすほど見込めず、2012年3月、東京メトロポリタントーストマスターズクラブと統合を決定し、独立したクラブとしての活動を停止しました。本ページは、将来的に再び同様の話題特化型クラブの立ち上げを行われる方にとって参考となるよう保存するものです。


日本にはディベートに対する根強い人気があります。即戦力として使えるビジネススキルとして、あるいは知的ゲームとしての憧れでしょう。しかし同時にディベートに対する怖れ、敬遠したい気持ちがあるのも事実ではないでしょうか?

大学時代に英語教育家の松本道弘氏の著書でディベートを知った私は憧れと怖れを同時にもっていましたが、なによりも私の周りにディベートを学ぶ場がなく、またトーストマスターズに加えてディベートを新たに勉強する余裕はないと考え、学びへのアクションを保留にしていました。

そんな折、ジャパントーストマスターズクラブのことを知る機会がありました。

ジャパントーストマスターズクラブは藤山会長が立ち上げた新しいクラブで、特色としてクラブ名にあるように「日本」にこだわったテーマに特化したユニークな存在です。さらに、このクラブはスピーチ以外にディベートセッションがあるということを聞いていましたので、実はとても興味を持っていました。

予定をやりくりしてディベートセッションが予定されていた10月のある日の例会に参加してみました。(私が訪問した2011年10月、そしてこの記事を書いている2012年1月現在、チャーターを目指して頑張っておられます。) 

この日は、会員・ゲストを入れて10名程度と小じんまりとしていましたが、ディベートセッションが始まるとそんなことは全く気にならなくなります。

政府側3人と野党側3人という2つのチームに別れて、政府側が出してきた法案に対して、一定のルールに基づいて自分たちの賛成意見、反対意見、質問を述べ、最後にジャッジが勝ち負けの判定を行って第一ラウンドの勝敗を決めます。勝負が終わると、政府側が野党側に、野党側が政府側に役割が交代し、同じ法案についてそれぞれが第一ラウンドと逆の観点で賛成意見、反対意見、質問を述べ、最後にジャッジが勝ち負けの判定を行い終了です。

私が参加している大和バイリンガルTMCや多くのクラブのように、例会で自分に与えられた役が終わるとあとは聞いているだけというのと異なり、ディベートは最後まで、よく聞き、考え、どのように発表するかその場で考えなければなりません。セッションが終わると、まるで筋トレが終わったときのような心地よい疲労、満足感が体の中に満ちていました。

2つのラウンドを実際に経験して次のことを思いました。

  • ディベートは、一定のルールと時間管理のもとで攻守の立場をわきまえ相手を尊重しながら行う紳士・淑女のゲームである。たんなるディスカッションでも議論でも口論とは全く異なる。発言中にヒートして相手を罵ることもルール上できない。ありえない。
  • トーストマスターズで学ぶ聞く力、考える力、話す力が総動員できる。さらに勝負の要素が入ることで、感情的になりそうな点は否めないが、ディベートを通してこうした勝負の場で感情をコントロールし、「クールになれること」の魅力は大きい。ビジネスの現場での議論を考えると、ディベートという場を感情をコントロールできる修練の場が得られるのは願ってもない。
  • 一つの法案を賛成意見、反対意見、質問を通して多角的に観るため真理に短時間で到達できる。短時間で思いもよらなかった知見を得ることができる。「勝ち負け」という要素が入っているのは、真理へたどり着くスピードを加速するためのインセンティブに過ぎない。
  • 感情コントロールでも感じたことだが、「ディベートは礼に始まり礼に終わる」日本の武道と共通するものがある。

トーストマスターズは、様々な楽しみ方が有ると思います。トーストマスターズではディベートも「Debate Handbook」(Catalog 204)を紹介されています。トーストマスターズではネガティブなことは言ってはいけないからディベートはご法度という話を聞いたことがありますが、それは大きな誤解です。ディベートの目的は、コミュニケーションのスキルを駆使して真理に到達することにあるからです。相手を論破して独りよがりの快感を得るための次元の低い活動ではありません。

ジャパントーストマスターズクラブのディベートセッションが素晴らしいと思ったのは、「世界で闘えるスポーツ選手を要請するために国が支援する事の是非」のような知的緊張感の漂うテーマを正面から選んでいることにあります。ディベートに親しみを持ってもらうために敷居を思い切り下げて「日本人はもっと焼肉を食べるべきである」のような安易なテーマを選んでしまうことがありますが、このようなテーマは娯楽の延長としての楽しみはあっても学びの深さが全く異なります。あえて知的緊張感の漂うテーマを正々堂々と選んでいるからこそ、学びは深まり挑戦しがいが有るというものです。私たちが暮らすこの「日本」について徹底的にこだわるこのクラブならではの選択は素晴らしいと思いました。

この日のディベートで私が所属したチームは判定の結果、負けました。相手チームは、日本国憲法を根拠にこちらの弱点を突いてきました。私にとって、日本国憲法はまさに盲点。しかし、そのことで改めて憲法を読み返してみたい、学んでみたいという欲求が生まれ、読み返してみたのは思わぬ収穫でした。

ディベートに興味がある方、自分のクラブでやってみたい方はぜひ一度ジャパントーストマスターズクラブのディベート例会を訪問して体験してみては如何でしょうか?先ほども述べましたがディベートが終わった後の充実感は、筋トレが終わった後の「痛・気持ちいい」感触とよく似ています。

礼に始まり礼に終わる武道のようなディベートで、トーストマスターズのコミュニケーションスキルを駆使して、短時間で真理に到達する「痛・気持ちいい」知的な筋トレをあなたも体験してみませんか?

参考:私が参加した人のディベートセッションについて

ジャパントーストマスターズクラブでは事前準備が基本的にいらないスタイルのディベートです。テーマ(法案・トピック)はその日の例会で発表されます。

「The Japanese Government should create the Ministry of Sports to foster Japanese athletes who can compete internationally(英語のテーマ:日本政府は国際的なスポーツ試合で競う日本人選手の強化・育成のためにスポーツ省を創設すべきである」

  • 政府側立論スピーチ(終了後:野党側からの質問)
  • 野党側反論スピーチ(終了後:政府側からの質問)
  • 政府側総括スピーチ(終了後:野党側からの質問)
  • 野党側総括スピーチ(終了後:政府側からの質問)
  • ジャッジによる審査、勝敗の発表

※以上を基本的にスピーチをベースに行いますので、乱闘になったりすることがないのです。

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